《MUMEI》
ある海の波音
by 柏木夏

沖奈悠は怯えていた。
変わってしまうことを。それは砂のお城の様に崩れやすい物だから。

御堂薫は歩き出した。
歩かなければ今の景色しか見れない。何も変わりはしない。何も起こりはしないから。

中宮咲は祈っていた。
変わってくれることを。その先が何であっても受け入れる覚悟をしながら。

佐藤未央はいらついていた。
変わりたい。でも一歩を踏み出せ無い。そんな臆病者な自分を。

海は変わらずそこにいた。
知らないよ、と波を無関係の様に立てながら





今も昔も彼らを優しく見守っている。


1:それは変わらぬ波音と、1
2:それは変わらぬ波音と、2
3:それは変わらぬ波音と、3
4:それは変わらぬ波音と、4
5:変わらぬ場所、イントロ
6:変わらぬ場所、1

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