《MUMEI》 風のチャンピオン大会
by 心星 風の仲間には、 いじめ、いたずら、強がり、欲張りな風が多いんだ。 俺は強い風だ! 俺にかなうやつなどいない。 意地悪な風がいいました。 あの女の子の マフラー飛ばすこともできるんだ! フー! すると歩いてる 女の子のマフラーが空高く飛んでいってしまい、 女の子は泣き出してしまいました。 アハハ! どんなもんじゃ。 おいそこの風 やってみろ! 恥ずかしがりの 風はしぶしぶと 吹きました。 フ〜フ〜! 歩いているお婆さんの髪が揺れるだけでした。 なあんだ! お前は風の 弱虫だ! と馬鹿にされました。 ある時、風の神の風神が、風の大会を開きました。 風のチャンピオンを決めるためです。 三種目で争われました。 初めは、大波対決 意地悪な風が吹きました。 地上の大木を何本もなぎ倒したのでした。 どんなもんだ! 自慢気に高笑いしました。 みんなも何本か倒しました。 恥ずかしがりの風は一本も倒せませんでした。 この種目は 意地悪な風が優勝しました。 次は、中波対決 草木を揺らすだけ みんな草木を吹き飛ばしてしまいました。 意地悪な風は木の葉を全部飛ばしてしまい、失格しました。 恥ずかしがりの風さんは、一枚も落とさず、小鳥さんが気持ち良さそうに鳴いていました。 恥ずかしがりさんが優勝しました。 最後の種目は 小浪対決でした。 お花畑に 咲いている お花の香りを 歩いている 人達に届ける事 でした。 みんな、お花の花びらを飛ばしたり折ってしまったりしてました。 恥ずかしがりの風さんは、心をこめて吹きました。 優しい風が、 そよそよとさざ波になって、お花畑に届きました。 香りいっぱい乗せた風が、道ゆく人を包みました。 みんな、幸せそうに笑ってくれました。 この種目も恥ずかしがりの風さんが優勝しました。 総合優勝が決まりました。 あの、みんなが馬鹿にして、いじめた恥ずかしがりさんの風が優勝でした。 それから、みんなから、さざ波さんと呼ばれるようになりました。 みんなのとこにも やってくるかな あの恥ずかしがり さざ波さんが 前髪揺れたら そうだからね お花の香りが 届いたら そうだからね ありがとう と言ってあげてね ありがとう! さざ波さん 聞こえるかな フ〜 フ〜 |
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