《MUMEI》 その日、俺は会社の同僚と二人で飲んだ帰り その同僚と、そこのラーメン屋に立ち寄った 俺も同僚もよく行く店だったので、俺たちは件の3段階の注文にも慣れていた 俺は、いつものように「麺硬め・味濃いめ・脂ギトギト」の注文を店員さんに伝え ラーメンが出来上がるまで同僚と話していた オープンキッチンの厨房では麺が茹であがり、店員さんが手際よく器に盛りつけている 「麺カタは先に茹であがりまーす!」 店員さんの元気のよい掛け声とともに、俺のラーメンがカウンター台に置かれたときだった 「ちょっと!僕のほうが先に注文したじゃないですか!?」 どこからかそんな声が飛んだ 声のした方を見ると、40代半ばくらいのリーマンのオジサンがいた 前へ |次へ |
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