《MUMEI》 外は完全に日が落ちて、街は暗くなっていた 1キロくらい先に、花火が打ち上がっているのが見える 俺と彼女は半裸のままベランダに出た 俺はボクサー一枚 彼女はキャミとパンツ一枚という姿だった 外から見上げられても俺たちの姿はベランダのコンクリートの壁に隠れるので殆ど見えないはずだ 俺と彼女はベランダで肩を並べ、花火をみた 「わーキレイ!笑」 きゃぴきゃぴとはしゃぐ この頃の彼女は可愛かった(今では見る影もない) 俺は缶ビール片手に目を細めて、花火に照らされる彼女の横顔に見とれていた そのとき彼女が不意に俺の顔を見上げて言った 「キレイだね………キャア!!!」 なぜか彼女の微笑みが、一瞬のうちに悲鳴に変わった! 前へ |次へ |
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