《MUMEI》

原色系の派手なパーカーのフードをかぶり

指には安っぽいシルバーアクセサリーをギラつかせ

耳にはめたイヤホンからは、耳障りなリズムが俺の席まで聞こえていた

周囲に座っていた乗客らは一様に、不快そうに眉をひそめながらも

その若者に関わらないよう無視を決めこんでいた

以降その悪目立ちする若者のことをDQNと表記する

そしてこの話には、もう一人の主役が登場する

40歳半ばくらいのリーマン風のオジサンだ

最初このオジサンが電車内のどこにいて何をしていたか全く記憶に無い

電車内にいるリーマンなんて当たり前すぎて背景の一部みたいなもんだからだ

だけど、そのオジサンがこの後 起こす行動は俺の記憶に強烈に刻みつけられた

そのオジサンは"傘"を持っていた

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