《MUMEI》
危機。
品川は俺を殴りながら言っていた。
目的。
俺達5人を……絶望の奈落に叩き落とす。
それが品川と目黒の目的。
目的と手段が一致している。
余計にタチが悪い。
そして……更に絶望を与えてくる。
「教えてやるよ。もう一人の男、目黒がどこにいるか」
「…………なに?」
品川は勿体ぶるように、卑しく笑いながら言う。
「天草美鶴。あのちっこい女んとこだよ」
「なん……だって……?」
「え……、う、うそ……」
憂いを湛えたミクちゃんを見て、品川は満足そうにニヤリと笑う。
「てめえら5人を絶望に叩き落としてやるよ」
美鶴が……危ない……!
「手段は目黒に任せてある。さぁどんなことするだろうな?あいつ今欲求不満だからなぁ。この際中学生でもアリって考えてっかもな」
あはははは、と高く笑う。愉快で愉快で仕方がない。そんな笑い方だ。
「お前ら……狂ってやがる……!」
「てめえがそうさせたんじゃねえか」
俺の前髪をガシッと掴み、しゃがんでいる品川の顔の高さにまで上げる。髪が抜ける音がブチブチ、と聞こえる。
「まぁ安心しろよ……。殺しはしねえ。……お前以外はな」

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