《MUMEI》

「なんで我慢すんの」









手を引かれた と 思ったら









抱きしめられてた









「一之瀬じゃなきゃ、駄目なのかよ……!」










そんな








「そんな、つもりじゃ…」










「この怪我だって、俺はあの時のケンカでできたのに、気にも留めてなくて……!」
















あの時の!









「ご、ごめん!いろいろあって、その、ごめん…」









すっかり忘れてた







謝ることしかできないよ










「……違う!…そんなことが言いたい訳じゃないんだ」










高橋君の腕の力がつよくなった











広い背中が すごく さびしそうに感じた

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