《MUMEI》
潜入
清掃員に扮した片岡は、掃除をせっせとこなしながら、夕季を探していた。
「ここには・・・いらっしゃいませんか・・・」
そう静かに呟いた。
その時、ある張り紙が目についた。
“定期テスト成績優秀者”
そう書いていった。
順番に目を通す。

1位 橘夕季   487点
2位 長谷川愛鈴 462点

長谷川愛鈴・・・愛鈴・・・まりん・・・もしかすると・・・。
何処かで聞いたことのある名前。
片岡の頭の中で1つ仮説が出来上がった。

夕季様と長谷川愛鈴が付き合ったとして、起きる問題。
芸能人とのスキャンダルとして撮られる可能性。
一家の存続問題。
これはまずい。

片岡は1年校舎へと足を踏み入れた。
そこで聞こえてくるのは・・・生徒達の話し声。
「長谷川さんと夕季様、最近熱いよねぇ〜」
「もうヤバい関係なんじゃないの?」
「そうだったらショック〜」
これは確定だ。
すぐに旦那様へお伝えしなくては・・・。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
差出人 片岡
件名  分かりました
本文
夕季様が仰っていた“大切な人”とは、
“長谷川愛鈴”です。
“まりん”とインターネットで検索をか
けていただければ、情報が得られるは
ずです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

咄嗟に携帯電話を取り出し、メールを送った。
旦那様は絶望なさるだろうか。

前へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫