《MUMEI》

まるで自分で切ったような…てゆーか絶対 自分で切っているとしか思えない

たぶん鏡も見ずに手探りでハサミを入れたんだろうな

俺がこんな頭だったら絶対に外を歩けないと思うし、毛が生え揃うまでヒッキーになるレベルだ

以降この男のことを"惨切り頭"と表記する

よく見るとリュックが置いてある座席から、惨切り頭を挟んで反対側の座席も空いていた

だが惨切り頭は、そこに手をついて他人が座れないよう邪魔をしていた

惨切り頭は自分の両隣の座席…つまり3席ぶんを一人で占有して座っていたのだ!

(コイツ!? こんなに電車が混んでるのに!馬鹿なのか!?)

俺は邪魔なリュックをどかせようと、惨切り頭を睨んで無言のプレッシャーをかけた

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