《MUMEI》

少し時間がゆっくりと止まって、高橋君が私をおどろいたみたいに離した










「……ごめん、急に」










顔を手で隠してる










「ううん。私の方がごめん。高橋君が謝ることない」









自分で言って、本当にその通りだとおもう










悪いのは、ずっと全部わたしだった











「………怪我のことは気にしなくていいから」








「それは、できないよ。高橋君が嫌なら気にしないように頑張るけど、それでもやっぱりちょっとは気にする」









高橋君は やさしい











「うん。わかった」









でも ダメだ









遠いよ 一之瀬君










遠くの一之瀬君が 一番 いとしい

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