《MUMEI》

「……そ…か」









言葉がでない










「高橋君、ごめん。言うなら、私に全く興味がないくらいがいいんだ」










「そういうのもあるよな。悪いな、謝らせてばっかで」









「ううん。私の方がごめんなんだ。なんだかんだで高橋君に甘えてる」










そんなこと ない








槙村は強い










「…私、行かなきゃならないところがあるんだ。そこに行ってくるよ」








「うん」











「高橋君に会って、考えがまとまった。」









あぁ








「ありがとう」









こんなことで 涙が出そうだ







「どういたしまして」










ただ






きっと 俺は 遠くの一之瀬と争うこともできないんだろう









ふと川をみた





子どもころを思い出して 泣けた

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