《MUMEI》
確信。
「待てよ!」
尚も攻撃を続けようとする僕を、品川は声で止める。
「てめえの友人を狙ってんのを忘れたんじゃねえだろうな?抵抗したらどうなるかわかっててこんなことしてんだろうな?」
品川はポケットから携帯を取り出す。
「み、美鶴ちゃん……!」
ミクちゃんの表情が変わる。
「目黒はもう標準を定めているだろうなぁ。俺からの着信が合図になってる。このボタン一つでてめえの友人の未来はなくなる」
脅し、ではない。
品川は、本気だ。
僕だけじゃない。
その気になればみんなの命だって、奪ってくる。
「や、やめて!」
「もう遅えんだよ。言ったろうが。てめえらを絶望に叩き落としてやるってよ」
品川は携帯を持った腕を高く上げ、僕とミクちゃんにわざと見えるように送信ボタンを押した。
その瞬間、ミクちゃんは泣き叫ぶ。
僕は動かない。
けれど、思考は加速する。
そして、確信した。
美鶴は……心配ない。

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