《MUMEI》

首から下にガンダムみたいな鎧を着て、剣と盾を持ってポーズを決めている…

2等身くらいの少女キャラのオタクフィギュアだった

先輩の母親は、先輩と同じ部署だった社員のほぼ全員にフィギュアを配ってたから、全部で30体くらいあったと思う

たぶん持って帰るにも荷物になるし、要らない物を押し付けたんだろうな…

「ではこれで失礼します…」

先輩の両親は頭を下げて、軽くなった私物を持って帰っていった

俺は手渡されたオタクフィギュアを眺めた

(いらねーよ、こんなもん…捨てていいって言ってたよな…)

俺は先輩の母親に言われた通り、フィギュアをゴミ箱に捨てた

暫くしてビル清掃のオバちゃんがゴミ箱の中身を回収していった

オバちゃんが持つ半透明の大きなゴミ袋に、先輩の母親が配ったオタクフィギュアがいくつも入ってるのが見えた

俺以外にもフィギュアを捨てた人が何人もいたみたいだった

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