《MUMEI》

どん兵衛の部屋にて…

「いいのか?カリーヌードル…」

「あぁ…僕が望んだことさ…」

「せっかく決まった出荷が台無しになるんだぞ…やめるなら今のうちだぞ…」

「何度も言わせるなよ…どん兵衛…はやくお湯を沸かしてくれよ…」

「そうか…分かったよ…」

どん兵衛はヤカンに水を入れ、コンロの火をつけた

「どん兵衛…背中…抱いてくれないか…」

「どうしたんだ?…カリーヌードル、震えてるじゃないか…」

「あぁ…こんなこと初めてだからな…」

「…俺だって初めてさ…」

「あの お湯をそそいだら…もう僕たち…」

「そうさ…もう後戻りできないんだ…」

「どん兵衛…」

「…ん?」

「キスしてくれないか…?」

「あぁ…」

二人はラベルをそっと重ねた…

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