《MUMEI》 まるで恋愛したての中学生の様だと思いながらも 楽しげな小鴨の様に、こういうのも悪くはないかと鳥谷は笑う声を漏らした 「鳥谷君?」 何を笑っているのかと顔を覗かせてくる小鴨へ 鳥谷は一言、何でもないを返し 途中見つけた自販機で飲み物を二つ購入し、一つを小鴨へと放って渡す 「鳥谷君、コレ……」 「お前、コレ好きだろ。やる」 手の平へと乗せてやれば、暫くソレを小鴨は眺め すぐに表情を綻ばせるとソレを飲み始めていた 「ありがと、です。鳥谷君」 律儀にも礼を言ってくる小鴨へ 鳥谷は微かに肩を揺らし、どうしたしましてを返してやりながら 小鴨の手を引き、帰路を歩き始めたのだった…… 前へ |次へ |
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