《MUMEI》 帰ろうと下駄箱で靴を履き変えているときだった。 なんと、もう帰ったと思っていた、ツンツンがこっちに歩いて来るではないか。 「まだ残ってたんだ。珍しいね」 俺はさりげなく喋りかけた。 「珍しい?まぁそうね」 会話が成立した。なぜかこんなことだけで感動してしまう。 しかし、ツンツンの様子が少しおかしいように見える。いつもより少し元気がない。それはいつもツンツンを見ている俺だから気付くような少しの変化。 「何か元気ないね」 「別に」 これでは本当に会話が成立していると言っていいのか分からない。 すぐにクイズ大会の話題に移るのが普通なのだろうが、目の前にいるいつもより少し悲しげな少女を放っておけない。 「何かあったんだろ、パーと遊びに行かないか」 −−自爆ボタン押したかな。ポチットな。 「いいわよ」 −−いいわよ、オッケーっていう意味? 嫌っていう意味? どっち? 「そのかわり私お金持ってないから」 ………この文脈からいくとオッケーという意味だ。すげ−−俺ってスゲーよ。なんて急展開。 神様、仏様、読者様、いつも応援ありがとうございます。滝沢博之、いきまーす。 「それじゃあ行こうか」 デートだよなこれ、いかんいかん、にやけていたらダメだ。ここは頑張りどころだぞ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |