《MUMEI》

私は、足をとめなかった










だって、とめられないよ












あんな声を聞いちゃったんだもん










「あんな、泣きそうな声……」











まるで、一之瀬君と出会う前の私みたいな











希望の種を ぜんぶ 振り払うような声











もし、本当にそうなら きっと











今 私がじょうずに一之瀬君を救えれば










一之瀬君は、すごく安心する










と思う










ただ、それだけを思って 歩いた

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫