《MUMEI》

俺は歩きながらツンツンに話しかけるが、単語一言で返されてしまう。

うん……別に………それで………へー……


俺に会話能力がないからこうなるのだろうか。ツンツンは聞くところによると、他の人とは普通に喋っているらしい。そんなに俺って嫌われているのか?でも嫌いなら俺の誘いに乗ってこないはずだ。

謎だよな。でもそんな謎があるからそそられるんだよな。はぁはぁ、……いかんいかん正常な考え方をしないと嫌われてしまうぞ。

「何でここなの………?」

「お金がかからないところと言えばここだろ」

俺は滑り台と砂場しかない小さな公園に来ていた。

「あんたに期待した私が馬鹿だったわ」

「ここしか思いつかなかったんだよ」

ツンツンは文句を言いながらも滑り台に腰掛けた。

「でも、たまにはいいかも」

そういうとツンツンは少し微笑みながら俯いた。その笑顔には少しの陰りが見え、すぐにでも抱きしめたいという感情が芽生えてくる。真っすぐにストンと落ちた綺麗な黒髪は風になびきながら少しでも自分の感情を被い隠そうとするように、彼女の表情を被おうとしていた。
高校生になったばかりとは思えないような抜群のスタイル、そして長く綺麗に伸びた足。そしてバックグラウンドには大きな夕日。そしてこのアングル、見えそうで見えない。俺はこの風景を目に焼き付けた。
俺は心の中にあるパソコンのお気に入りにこの風景を入れた。これでいつでも思い出せる。


−−悪いなみんな。ヒロインだけはしっかり描写させてくれ。ん−−不適切な描写が混じっていた?気のせいだろ。

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