《MUMEI》
兄、晃太目線
「お兄!」
そう言って元気に笑う皐が好きだ
だから皐には笑っていて欲しい
泣かせる奴は殺す...まではいかないが
少々痛い目に遭わせる程度だ
弟の奏太と一緒に
でも今回は違う。相手を痛めつけても
皐は笑わない
これは皐が解決しなきゃいけない事だから
だから皐の背中を少し押すだけ
ヴーッ ヴーッ
ポケットからそっと携帯を取り出す
「もしもし、奏太?ちょうど良かった。ちょっと頼みがあるんだけど」
『また皐絡み?』
感のいい奏太はすぐ気づいた
「ははっ、そー。いつもごめんな」
『いいよ、大体の予想はついてる。兄さんの考えもね』
「さっすが、奏太てんさーい」
『ったく、世話が焼ける』
「ごめんなー」
『謝んないでよ。じゃあ切るよ』
「あれ、なんか用があったんじゃないの?」
かけてきたのは奏太ほうだし...
『んー、もう済んだからいいや。じゃあね』
ブチッ…ツーツー
なんでもお見通し…的な?
まぁ、ありえるな

「そんじゃ、やりますか」

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