《MUMEI》 本当に、唯触れるだけの可愛らしいキス 触れて、離れていった、次の瞬間 「とーりーたーにー!あんた!宣伝して来いって言ったのに、何小鴨に手出してんのよ!!」 茂みの中から突然に小鴨の友人が現れ ソレをまるで合図に他の連中も湧く様に現れ始める 「トリ!そろそろ交代の時間だろ、さっさと代われ!」 「お前ばっかり小鴨ちゃんといちゃつくなんて許されるわけないだろうが!代われ!」 其処だけは誰が代わって等やるものか 騒ぐ連中から小鴨を庇うように立ち位置を変えながら 「絶対、代わってやらね」 ペロリ舌を出して向けると尾、囲む友人らを振り切りその場を後に 何処へ行くのかとの友人らからの問い掛けに 「そろそろ、交代の時間なんだろ。こっちはやるから、お前ら、回って来い」 それだけを返し、鳥谷は足早に歩きだす 小鴨の手を掴んだまま歩いていた鳥谷だったが、不意にその脚を止めると 「小鴨」 徐に小鴨の名前を呼び、その腕を引いた その弾みを借り、小鴨の額へと触れるだけのキスを一つ 聞かせてくれた本音、それならば自分もと 「……俺も、好きだから」 最初は、世話の焼ける奴としか思えなかった だがその感情に変化があったのは何時からか 色々と定かではないが、いつの間にか自身の中にあったその感情に 今は取り敢えず従順で居てやろうと (親子)から(恋人)にと少しばかり変わった互いの関係に、鳥谷は僅かに肩を揺らしていたのだった…… 前へ |
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