《MUMEI》 「…康孝はこいつと知り合いなのね。ふうん」 「母さん」 一之瀬君のお母さんは、立ち止まって、うつむいた 一之瀬君は、ゆっくりとお母さんに近づいてる とても 不安そうな瞳で 「……いいのよ、康孝。私は信じてるから。」 そう言って お母さんは家のなかに消えた 私は 何をしに来たのかもわからないままだ なんて ダメなんだろう 「…もう、来ないで」 一言だけ 開いたままのドアに手をかけて 静かに閉じた 一之瀬君の最後の言葉は 喉の奥からにじみ出たような 細くて、重い声だった 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |