《MUMEI》

「入れ」

男が言うと、少ししてドアが開く。


「失礼いたします。」


そういいながら入ってきたのは、黒いスーツに身を包んだ男。


スーツの男はドアをしめ、一礼すると、男に近づいた。


「社長。


科学者に隕石について詳しく調査させたところ、

…新たな発見が。」


「…なんだ。」


「実はあの隕石の落下3時間後、

落下地点から半径約8kmにいた者たちが、共通の病状を訴えはじめました。」


男は少し眉を潜める。


「…共通の…?」

「はい。」


スーツの男は続けた。


「症状は、軽い頭痛、吐き気、それから腹痛、間接痛など。


最初はだいたいの者が近くの医師のところに診察してもらったようなのですが、医師から処方された薬を飲んでも治らなかったようで。



それから個人差がありますが、8〜11時間後、体の痛みを訴えたようです。


更に12〜15時間後、嘘のように体の痛みが消えるそうなのですが―


それから長くても3時間以内に、患者は死亡するようです。」

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