《MUMEI》 それからすぐに 「全員班決まったみたいだなー」 太田先生の声。 「じゃあ、 今度はその班の中で自己紹介してください。」 すると少しの間があってから、また教室はざわつきはじめて 「…………」 「…………」 一方、私たちの班はみんな黙ったまま 「ま、まあ 自己紹介しようか」 途中で口を開いたのは、ひとりの男の子。 黒髪で優しそう。 喋り方も穏やかで、お兄さん、って感じ。 私たちの中で、一番背が高かった。 「俺は宮地夕(ミヤチ ユウ)。よろしく。」 そういって、ニッコリ笑う。 …よし! 「わ、私は、 杉波あこです。 よろしくお願いします。」 ぺこり、と礼をする。 前へ |次へ |
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