《MUMEI》

その夜はお客さんが少なくて、俺はレジの前でボーッと立っていた

店にはバックヤードでドリンクの補充をしてるバイト仲間と、接客対応してる俺だけだった

その時…

ピコンピコーン!(コンビニの来客を知らせる電子音)

「いらっしゃいまs………!?」

俺の挨拶の声が固まった

店に入ってきたのは20代くらいの女性客だった

女性は一人だった

美人かブスか問われれば美人の部類に入る女性だったと思う

でも当時の俺は女性の顔なんかよりも、その姿にドぎもを抜かれたんだ

その女性…

毛皮のコートしか着てなかったんだ…

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