《MUMEI》
勝敗
カエルと黒頭巾は死闘を繰り広げていた。カエルのしゃもじが黒頭巾の額にヒット。負けじと黒頭巾の杖がカエルのふくらはぎに直撃。結局カエルが勝った。
案の定黒頭巾もついてくることになった。
僕とカエルと黒頭巾、仲間は三人になった。
カエルはふくらはぎをさすりながら呟いた。「痛い。もう歩けない。正直もう少し手加減して欲しかった。俺の弱点はふくらはぎなんだ。それを知ってか知らずか狙ってくるんだから嫌な奴だよ本当に」
「まあまあ。近くの宿でビールでも飲もうよ。僕も肩凝りがひどくて休みたい気分だ。そういえば僕はまだ未成年だからビールは無理だな。メロンソーダでも頼むとしよう」と僕。
「私はミルクティーが飲みたいわ。なかったらジンジャーエールでもいいししょうが湯でもいいしなんでもいいわ。喉がカラカラで泥水でもいいから飲みたいくらいよ」と黒頭巾。
「じゃあそこの水溜まりでも啜っとけよ」とカエルはぶっきらぼうに言った。
何はともあれ冒険者の宿に立ち寄った。

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