《MUMEI》

そのあと、みんなの係もどんどん決まっていって


とても助かった。


そして一段落したとき、西野くんがこんなことを言った。


「あー、そーいえばあの、なんだっけ?


高崎とかいうヤツ」


ドキッとした


「あいつなんなのー…


もーマジ強すぎだし…
サッカーだけは自信あったのに…!」


「あはは、

里空の取り柄はサッカーだけなのにな」


「ちょっと!

それはないでしょ、夕くーん」


あはははっ


二人で笑いあってて


高崎くんの話してる


高崎くん、やっぱ凄いんだ


なんだか、平静を装うつもりだったのに


なんだか装えば装うほど顔が熱くなるのがわかった


彼らはたぶん、全く何も気にせずに


しゃべってるだけなんだけど


赤くなってること、知られたくなくて


プリントを見てるふりをして下を向いた


それを、北野くんが見てたなんて


全然知らないまま

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