《MUMEI》

「あんたって友達いるの」

ツンツンが話題を振ってきた。
実はこれが初めてのことだ。

そんなことに俺は今ツンツンと話しているんだという実感が湧いてきた。

「いる…………と思う」

俺は真っ先にあの5人を思い浮かべた。

それ以外は…………いないかな。

「へーいるんだ。ちょっと意外」

「なんだよ、俺の良さはすぐには理解されないんだよ。後で気付いても遅いからな」

「何それ、やっぱり面白いねあんた」

−−面白い?俺が?
いやいや、喜ぶにはまだ早いぞ。

俺のことを謎の生命体、滝沢湖から出て来たタッシーと呼ぶ人もいるぐらいだからな。

面白いとおかしいを同意語として使う人もいるんだ。だから早合点はいけないぞ。


「今度市外レクリエーションがあるだろ。
その時のメンバーが俺の友達だ」

「へぇ〜すごいじゃない。私なんかほとんど喋ったことのない人達ばっかりよ」

「面白い奴らだぞ。
その日にクイズ大会のイベントがあるんだ。俺達の班でそれに参加しようって話しが出ているんだけどどう」

「いいわよ」

おぉ、即答とは、くっくっく。みたか。これが俺の実力だ。新城まこと、貴様は俺が頼むと断られると言ったな。
早速明日にでも、自慢してやる。

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