《MUMEI》

呼び出されたのは、人気のない


体育館裏


そしてそこには


「宮原さん…!」


宮原さんもいた。


無表情で、突っ立っていて


その制服は濡れていた。


あわてて駆け寄ろうとすると


「あー、あこちゃん


だめだよ近づいちゃ」


女の子たちにせいされて


するとあのかわいい女の子が一歩前に出た。


「逃げると思ったのに、
逃げなかったのね」


宮原さんを睨んだ。


「おもしろくない女


いっつも真顔でさ…
人間じゃないみたい」


小嶋さんも言った


「だからさ…


ちょっとは人間らしいとこ
見せてよ」


かわいい女の子は私のほうに振り向くと


急に笑顔になって


そのあまりの変貌ぶりに


息を飲んだ。


「まずあこちゃん、私


市川梓(イチカワ アズサ)っていうの。
よろしくね」


ニッコリ、笑った


「それでね…、私


あこちゃんに言わなきゃいけないことがあるの。
ホントに、


言いにくいんだけど…」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫