《MUMEI》
え!?何知ってて当然みたいな顔してるの!?
〜放課後〜

「レギュラー集合!!」

でかい声で呼ぶ竜崎先生の後ろ姿を見ながら凛々しいな〜 なんて考える。

春先にも関わらず、ジリジリと太陽が照りつける。

その上試合に向けて練習しているやつらの熱気が伝わり暑苦しくてしょうがない。

「今日からマネージャーになってもらう風魔だ。ほら、由希、自己紹介しな!」

竜崎先生にうながされて部員の前に立つ。

部員は女子マネージャーをみて驚いたのだろう、竜崎先生と私を交互に見た。

「3年特殊クラスの風魔由希です。よろしくお願いします。」

極めて丁寧に自己紹介をすると竜崎先生が大きい声で怒鳴った。

「あんたたちも自己紹介しなさい!!こいつはテニス部に興味なかったから顔と名前が解らないんだよ!」

すると、
え、まじ!?こいつ俺のことしらないの?

的な目を向けられた。




「知ってて当然みたいな顔してんじゃねーよ!?」

と、とりあえず眼鏡かけたオッサンみたいな奴に怒鳴った。

「だいたい、アンタオッサンだろ!?なんでレギュラーに混じってんだよ!?若作りか!?若作りなのか!?つか、竜崎先生はなにも言わないんですか!?」

おもったことを口に出して叫ぶと竜崎先生は苦笑いしていらっしゃった。

そして、オッサンはなにも無かったかのように口を開いた。

「部長の手塚だ。これからよろしく頼む。」


「………オッサンとか言ってすみませんでした!!」

とりあえず謝っておこう。

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