《MUMEI》
願い
一方、菜々は相変わらずバイトに精をだしていた。
バイトを始めたばかりの頃は疲れていたけれど、今は体が慣れたのかあまり疲れなくなってきた。
菜々はふと考えた
愛美ちゃんは佐山さんとのデートをちゃんと楽しめたのだろうか?愛美ちゃんの事だからきっと楽しかったといって戻ってくるはずだけどなんだか心配だった。
それに菜々は佐山さんに不信感を抱いているので尚更不安だったのだ。
「愛美ちゃん大丈夫かな…」
そうしているうちにだんだんとお客さんが入ってきて、あっと言う間にカフェは忙しくなった。
考えている暇がなくなった。
菜々は一生懸命に働いた。
バイトが終わると速水さんが、菜々に話かけてきた。
「菜々ちゃんお疲れ〜そいえばさぁ、佐山さんと愛美ちゃんデートしにいったんよなぁ。佐山さんもやるねぇーあんな可愛い子にさ。」
「そうですね、もう遊園地からは帰ってきてるだろうけど…この雨だったら大変ですよね。」
外は雨が降り始めていた。
「そうだね。」ちゃんと無事に帰ってきて欲しいよねぇ」
と速水さん。
速水さんはたまに鋭い意見を言うので、いくら優しい言葉を話していても、油断が出来ない。
愛美ちゃんと佐山さんが無事に帰ってきて欲しい。

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