《MUMEI》
え!?お化け屋敷!?動物屋敷!?って、違うよ!!
〜海堂〜
放課後、校門に向かうとすでに先輩は立っていた。しかし、一度家に帰ったのだろう、服がさっきとは違う。

「由希先輩。」

とりあえず声をかけてみる。俺の声を聞いた由希先輩はこちらに顔を向け

「授業お疲れさん♪」

と、笑い混じりに言った。しばらくして、全員が揃うと、先輩の家にむかう。

「ここが私の家だ」

そう言って目の前に建つ洋館を指差す。外観が古い西洋屋敷だからお化け屋敷みたいで……怖い。

べ、別に幽霊が怖い訳じゃなくて…

「さ、入って。」

と言いながら重そうな扉を開く先輩。

屋敷の中には

「にゃ〜」

お目当ての猫が5匹、放し飼いされてる兎が1羽いた。

「海堂、紹介するね。赤っぽい毛の猫が作兵衛、緑色の目の猫が左門、茶トラの猫が三之助、真っ黒い猫が村雨、真っ白い猫が霧だよ〜」

「…随分と和風な名前ッスね。俺んちの猫はカルピンって言うんすよ。こんど連れてきてもいいッスか?」

「いいよ、ってか連れてきな!!」

そう言いながら由希先輩は越前の頭をグリグリと撫でていた。

「あの…兎の名前は?」

大石先輩、ありがとうございます。俺も聞こうと思ってたところです。

「兎はね、藤って言うの」

そう言いながら兎を撫でる先輩はとても優しく笑っていた。

「藤、おいで。」

そう言って腕を広げる先輩に飛び付いたのは…

「周助君、重いんだけど、って言うかなんで周助君がくるの?」

「え?だって不二おいでって言うから。」

不二先輩…あんた何やってんスか…

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