《MUMEI》 転校生、もとい烏頭有はひとり本の世界に入ってしまっているようだった。 …やっぱり。 だって見た目的に暗そう…ていうか、ネガティブ気味な自分が言うのも何なんだけど。 ずっと睨んでるように見えるっていうか、目付きが鋭くて、怖い。 ただ、そんな彼がどんな本を読んでいるかちょっとだけ気になった。 机の中に手を突っ込んで文庫本を取り出した。 さて、私も読書しようかな。 もう一度だけ、窓際の方に視線を映した。 ―――彼は無表情な顔をこちらに向けて、鋭い目つきで私を眺めていた。 前へ |次へ |
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