《MUMEI》 ―――背中を冷たいものがぞくりと走った。 ぱっと自分の本に視線を戻すと、少し汗ばんできた手で本を手に取る。 怖い。恐い怖い―――…。 彼は丁度こちらから見ると逆光で。 真っ黒いシルエットが異常に不気味で。 影がこちらをずっと眺めているようで、睨んでいるようで。 自分を見ていたなんて、自意識過剰かな? でも、それでも、怖かった。 ―――もう窓際を見ることなんて、出来ない。 前へ |
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