《MUMEI》

―――背中を冷たいものがぞくりと走った。

ぱっと自分の本に視線を戻すと、少し汗ばんできた手で本を手に取る。


怖い。恐い怖い―――…。


彼は丁度こちらから見ると逆光で。
真っ黒いシルエットが異常に不気味で。

影がこちらをずっと眺めているようで、睨んでいるようで。


自分を見ていたなんて、自意識過剰かな?

でも、それでも、怖かった。




―――もう窓際を見ることなんて、出来ない。

前へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫