《MUMEI》
――朝
▽
「…うーん……」
――喉渇いた、
水………、
水……。
薄く眼を開けると、視界に人肌が映る。
どうやら腕枕のまま、俺は引き寄せられているみたいだ。
――鼻先に体温が入ってくる。
何とも心地良く、
俺は喉の乾きは二の次にして、背中に腕を回し抱きついた。
するとお返しとばかりにきつく抱きしめ返される。
更に脚まで絡まれて、まるではがいじめにされ、脛毛が何だか擽ったくて俺は口を開いた。
「もう擽ったいよー、…」
「んー、ちょっと位我慢しろよ……」
「……!!」
――俺は一気に眼が覚めた……。
俺…、
何で伊藤さんと……
え…?
え?
「まだ眠てーよ…、もう少し寝かせて……、それ共続き……すっかー?」
つ、続き??
え?
え?
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