《MUMEI》
――朝











「…うーん……」





――喉渇いた、



水………、



水……。





薄く眼を開けると、視界に人肌が映る。
どうやら腕枕のまま、俺は引き寄せられているみたいだ。





――鼻先に体温が入ってくる。




何とも心地良く、


俺は喉の乾きは二の次にして、背中に腕を回し抱きついた。




するとお返しとばかりにきつく抱きしめ返される。




更に脚まで絡まれて、まるではがいじめにされ、脛毛が何だか擽ったくて俺は口を開いた。



「もう擽ったいよー、…」



「んー、ちょっと位我慢しろよ……」




「……!!」






――俺は一気に眼が覚めた……。


俺…、



何で伊藤さんと……



え…?



え?






「まだ眠てーよ…、もう少し寝かせて……、それ共続き……すっかー?」





つ、続き??

え?


え?





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