《MUMEI》 爆発はうまくかわしたものの、爆風に飛ばされ、全身を強く打った。 クロカリ(な、何がおこった?) 爆発の能力なのはわかったがどういう原理で爆発するのかがわからない。 しかも相手は槍を使うため積極的に攻めてくる。 そこであの爆発の能力を使われるとかなり厄介だ。 考える間も無くその男は突っ込んできた。 その男の攻撃を避けながら隙を捜した。 しかし攻撃には全然隙が無い。 しかもむやみに攻撃を仕掛けるとまた爆発の能力を使われる可能性がある。 そう考えていると少女の方に隙ができた。 当然男は切り掛かった。 少女はその攻撃を間一髪で受け止めた。 すると…槍と刀が接触した場所がひかりだし、爆発し、少女は爆発に巻き込まれた。 少女はその爆風に吹き飛ばされ、宙に浮いた。 男は少女にとどめの一突きを刺しに向かう。 しかし少女はあれだけの一撃をうけたにもかかわらずその突きをうまく弾く。 するとまたその接触した場所が爆発し、少女は地面に叩き付けられる。 そしてその男は地面に横たわっている少女に、 ラクール「どうした、お前の実力はこんなもんか?これなら前に戦った奴の方が強かったな。」 と言った。 クロカリ「前に戦った奴?」 少女はまだ意識があった。 ラクール「なんだっけなあ…。確か[空色の大剣]とか言ってたような…。」 クロカリ「[空色の大剣]だと!?」 その名前を男が口にした途端、少女が起き上がった。 ラクール「まあ確かそう名乗ったような気がするけど。」 クロカリ「そいつは何処に行った?」 少女の表情はあまり変わっていないがどこか怒りの表情にも見えた。 ラクール「そんな事聞いてどうすんだ?」 クロカリ「いいからさっさと言え!」 ラクール「そうだなぁ〜。じゃあもし俺を倒す事ができたら教えてやるよ。」 クロカリ「…本気を出していいんだな?」 ラクール「嬢ちゃん。強がりは良くねえよ。」 クロカリ「強がりではない。それに貴様のその[爆発槍]の能力も大体わかった。その槍は持ち主以外のものに接触するとその槍に宿る魔力が反応して接触した相手に拒絶反応を起こして爆発する。そんなとこだろう。」 ラクール「…まあそんなことくらいは誰でもわかるだろう。でもわかったところで俺に近付くことはできねえ。しかも嬢ちゃんは接近形、つまり俺に近付けなければ嬢ちゃんは俺に攻撃できねえ。つまり嬢ちゃんは俺には勝てねえ!」 そしてお互い武器を構える。 すると突然少女の方が、 クロカリ「誰が接近形だと言った?」 と小さな声で言った。 それが男に聞こえたのか、 ラクール「だから強がりは良くねえよ。」 と呟いた。 二人ともしばらく構えたまま動かない。 そして先に攻撃を仕掛けたのは男の方だった。 そのまま少女目掛けて一直線に突く。 しかし少女はその突きをうまく避ける。ここまでは前と一緒だ。 しかし、少女はそこから逃げ出す。 男はそれを追いかけるが、少女は一定の距離を保つ。 ラクール「おい、逃げてばっかじゃきりがねえぞ!」 と男は少しイライラしていた。 そして少し離れた建物の上で少女は立ち止まる。 ラクール「やっと観念したか。」 クロカリ「観念?誰が?」 男の言動に少女は少し自信ありげにそう答えた。 ラクール「嬢ちゃん。強がってられんのもここまでだぜ。」 男はそう言うと槍を構える。 そして少女目掛けて突きを繰り出す。 すると少女は持っている刀を思いっ切り振った。 するとその刀から黒く光る刃が飛び出て男に直撃した。 しかしさすが魂喰という人ならざるものの親玉と言うだけあって一撃では怯まない。 でもその攻撃は陽動であり男の先には少女の姿は無かった。 ラクール「…どこ行きやがった。」 男は辺りを見回す。 すると男の背後目掛けてまた黒く光る刃が飛んで来た。 しかし今度はその黒く光る刃を槍で受けた。 そこで爆発が起きる。 クロカリ「かかった!」 少女はそう言うと男に切り掛かる。 ラクール「くそ!いまのは囮か!」 爆発の煙で前が見えない中、男は必死に少女を捜した。 そして男は少女の姿を見つけた。 少女が決めるか男がかわすか、勝負は一瞬に委ねられた。 ………勝ったのは少女だった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |