《MUMEI》
屋上と不良
屋上とは、不良の絶好の溜まり場である。





瑞希は目の前にいる少しくすんだ金色の髪と瞳をもつ、いかにも不良です。と言っているようなイケメンを見ながらそう思った。




そんな彼が瑞希の腕に抱かれている女子生徒をみてすごい目付きで瑞希を睨んできたのは錯覚だと信じたい。



「…あ、ありがとう。もういいよ」



大分楽になったからなのか、はたまた不良くんの視線が痛かったからなのかどちらかは知らないが、彼女は誰をも皆虜にしてしまえるような笑みを浮かべて言った。



「どういたしまして」



ゆっくりと彼女を下ろすと瑞希はヘラッと笑った。



「さぁて、お邪魔虫は退散致しますよ。…角ではもう少しスピードを緩めようね」


「へ?…あっ、うん!」



彼女は瑞希を見て何か言いたげな顔をしたが瑞希はその前に屋上の扉を閉めたので引き留める事はできなかった。



「翔くん。諒が呼んでたよ。行こう?」


少し残念そうにした彼女は彼の名を呼んだ。



「あー、おう」



気だるげに答えた彼だったが、サンキュ、と彼女の頭を優しく撫でて屋上から出た。



「あ、待ってよー!」



彼女も少し遅れて屋上を去った。

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