《MUMEI》
過去*
「...実はさ」

急に宏が視線を
落としながら話始める。

「怜子ちゃんのお父さんと俺は、怜子ちゃんのお父さんが社会人2年目の時、セックスしたりする仲だったんだよ」

「...え?」

言ってる意味が
分からない。
セックスする仲って?

「ふはっ、理解できないか。男同士でセフレやってたって事」

さらりと凄い事を言う。

「お 男同士って...えっ!?」

「くくっ、驚かせて悪い。まぁ...俺も君のお父さんも、本気じゃなかった。ただ、欲求不満だったんだ。」

「...」

「俺は、その時13歳の中二だった。」

「中二で欲求不満って..」

「まぁまぁ、オナニーじゃ足りねぇの。
んで、知り合ったいきさつは公園だった。夏の暑い日、俺が一人でベンチに座ってたら、一人の社会人に声をかけられたんだ。それが君のお父さん、孝彦との出会い。
孝彦は俺にアイスをくれた。こんな所にいたら、暑くねぇか?って。知らない人に心配される意味が分かんなかったな。
とりあえずアイスは貰って、何故か二人で食ったんだよ。
その後、俺の家に来ないか?って誘われた。
俺が家に帰りたくないからここにいるんだと勘違いしたんだと思う。
俺は軽い思いで付いて行ったんだよ。まさかその後、セックスされるとは思ってなかった。」

「会った初日に男同士でセックスしたの!?」

「あぁ。孝彦の家の玄関に足を踏み入れた瞬間、壁と孝彦に挟まれてキスされた。俺ファーストキスでさ、ショックで倒れそうだった。
舌を無理矢理ねじ込んできて、二人の唾液が絡まった。初対面だし、男同士だしで気持ち悪くて吐きそうだった。
ただ、俺の体は正直だった。相手が男だろうとキスに感じてオチンチンが元気になったんだ。
孝彦はそれに気づいて触ってきた。ゾクゾクっとする感触に震えた。
セックスも、もちろん初めてだったから。」

「初めてが男って...」

「うん、最悪だったよ。」

「お父さんって、男の人が好きだったんだ...」

ショックすぎて
呆然とする。

「あー、だからそれは違う。セックス出来れば、誰でも良かったんだよ。ただし、そん時にはもう怜子ちゃんのお母さんと結婚してた。だからオンナとは出来なかったんだと思う」

「...それは誠実なのか不誠実なのか...」

「孝彦なりの誠実なんだよ、多分。」

「...うん」

「そっから週に一回ぐらい会うようになって、会う度にセックスした。
そこで色々とセックスの仕方を教えて貰った。男同士っつっても、やっぱセックスは気持ちいい。
俺はいつも受けだったから痛かったけどな。」

「う 受け...?」

「そう、分かりやすく言えばオンナ役って事」

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