《MUMEI》
朝の宏
「ふぁー」

朝。
目覚ましが鳴る前に
目が覚めて、
大きく伸びをする。

昨日、宏に告白
されたんだよね。

返事を待ってくれる
って言ってたけど
どれぐらい待って
くれるんだろう。

それに...。

私にはもう1つ
気がかりがある。

“朝の宏”だ。
昨日のように、また
覚えてないのだろうか。

このカラクリが
分からない。

酔っぱらってたから
覚えてないのかと
思っていたけれど、
夜の宏は覚えていた。

もしかして
二重人格とか...?

そしたら、あの告白は
どうなるのだろう。

朝の宏じゃなく、
夜の宏に告白された
と言う事になる。

もし付き合うならば
夜の宏とだけ
付き合うって事に
なるのかな...

悩めば悩む程に
頭が痛くなりそうだ。

とりあえず
朝ご飯を食べようと
下に降りる事にした。


―――――
――――――――

下に降りてすぐ、
宏と出会ってしまった。

「...!!」

「あぁ、怜子ちゃん。おはよう」

「...お おはようございます...」

やっぱり。
朝の宏は多分、
昨日の事を覚えてない。

ハァ、とため息をついて
朝食の並んだテーブルの
所に行こうとしたら
足が縺れた。

「きゃっ!」

「えっ」

その拍子に目の前にいた
宏を掴んでしまい、
突然の事に
対処できなかった宏を
巻き込んで二人で
倒れてしまった。

「んっ」

目を開けるとそこには
宏の顔が
ドアップであった。

唇には柔らかい物が
重なっている感触。

胸には転ぶ前に支え
ようとしてくれたのか
手が添えられていた。

むにっむにっ

おっぱいを揉まれる。

「んんっ」

感じてしまい、
唇を押し付けるように
深くキスしてしまう。

むにむにむにっ

おっぱいを揉む速さが
次第に速くなり
私の感度も上がる。

「んっんっ」

もっともっと
唇を押し付ける。

と、胸を
触る手が止まった。

やっと快感から
解放されて、
宏から起き上がる。

「っはぁ...はぁ...」

艶やかな二人の吐息。

「ご ごめんっ!!!」

「え...?」

「まさか、胸だと思わなくて...何か柔らかいなって触ってたら...その...」

「いや、そんな...。元はと言えば私が悪いんです!私が転ぶ時に高橋さんを掴んだのが悪いんですから...。それに...キスも...」

“キス”と言う単語を
出した瞬間、高橋さんは
口を押さえた。

「っ」

「...?」

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