《MUMEI》
チェックメイト。
「そこまでだ」
小憎たらしいアイツの声が響いた。
はは……。
来るのが遅いよ……。
「……あ……らと……」
新斗は僕とミクちゃんを順に一瞥し、最後に品川を睨む。
品川は困惑したように新斗を睨み返し、眉間をヒクヒクと震わせている。
「なんでここにいるんだって言いたそうだな。答えは簡単だ。こいつだよ」
ポケットから出したものは、美鶴が作った御守りだった。
「こいつの中身は発信器になっているんだ。僕は発信された場所を便りに来ただけだ」
やっぱりただの御守りじゃ、なかったんだね。
美鶴のことだから、そんな気がしたんだ。
「さて」
新斗はメガネをクイッと上げる。
それと同時に、扉が開く。
テレビで見たことのある防具を装備した警察が八人程一斉に突入してきた。
「チェックメイトだ」
ものの数秒で品川は拘束された。
僕ら5人の運命を大きく影響させた品川廉との決着は、呆気なく終わりを告げた……。
これで……本当の本当に……終わった。
途切れかけていた僕の意識は、プツンと闇へと沈んでいった。

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