《MUMEI》 新斗の手段。自宅 「……まさか……こうも早く神名に動きがあるなんてな……」 発信器に反応があった。 神名はまっすぐある場所へと向かっていた。 「……あそこ、か」 神名がわざわざトラウマの塊である、あの場所に行こうとするはずがない。 つまり……奴らも動いたわけだ。 「ボクも……動かなくちゃな」 携帯電話と一枚の紙を取り出した。 紙には電話番号と名前。 《小鳥遊章臣》 しかし、電話には出なかった。 2度、3度かけても出ない。 これ以上時間を無駄にするわけにはいかない。 ……やっぱりあの手段しか、ない。 部屋から出る。 この中に入ろうなんて、ボクは一度も思ったこともない。 だけど、神名達が一番助かる可能性が高い。 ビビってなんかいられない。 ボクは警視長である父さんの仕事部屋へ入った。 前へ |次へ |
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