《MUMEI》
その後と幼馴染み
瑞希が退室した後、諒は質問責め、という訳ではないが結菜たちから質問をされていた。


「あの子って……」

「そう、翔と結菜は会ったことあるよね。瑞希だよ。赤城 瑞希。結菜、覚えてる?」


結菜の呟きに返した諒の言葉に結菜は目を見開いた。


「…瑞希って、あの瑞希?…うそ……!全然気がつかなかった。」


両手で口元を覆い、嬉しそうに言う彼女を横目に話についていけない翔たちは諒に目線だけで説明を要求した。


「彼女は2−Dの赤城 瑞希。俺と結菜の幼馴染みなんだよ。」


彼らの表情は様々だった。


驚きで目を見張る者、

意外そうな顔をする者、

諒を凝視する者、

ニヤリと笑ってみせる者、

彼女の名を呟く者、


と、見事に全員違う反応だったが少なくとも瑞希に興味を示さない人は誰一人としていなかった。




そして諒は、瑞希を自分達側に引き込む為に不敵な笑みを溢しながら作戦をたて始めていた。


早速明日から瑞希の元へと直行するであろう結菜たちをどう使っていこうか、と心の中で呟きながら____

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