《MUMEI》
ガールズトークとシスコン
瑞希が帰る為に鞄を取りに教室に入ると、なぜかそこには数人のクラスメイトの女の子達がいた。


とはいっても全員座った状態だ。



「__んでさー。うちの兄ちゃんったらね、すんごいシスコンなの!もう、うざくって、うざくって」


どうやら彼女の兄の話をしているらしい。


うざいと言っている割にはやけに自慢気な顔をしているなどと思ったのは瑞希だけの秘密だ。


「えー、でもシスコンのお兄ちゃんって良くない?自分のこと大切に考えてくれるんだしさー。…瑞希もそう思わない?」


自分に会話がまわってきたのを確認するのに約30秒かかった。


それくらい瑞希は自分に話をふられた事に驚いていたのだ。



「…思わないなー。行き過ぎたシスコン兄貴なんて串刺しにして、火炎放射浴びせて骨になるまで焼いてから犬の餌にするよ」

「…あんた兄貴と何があったの……」


話をふられ驚いた瑞希の返答に対し、女の子達はそれ以上に驚く……というか引いていた。


「あー、でもうちはぁ、従兄弟がそうだなー。……従兄弟の場合はなんて言うのかな?」


「…イトコン?」

「何、その糸こんにゃくみたいなのは」


「あー、いと婚?」

「意味が違う!…そーいや従兄弟結婚って確か日本はオーケーだったよね」


この光景をみながら瑞希は、このグループはボケとツッコミが安定してるから結構好きだなー、と頭の中で考えていた。





そんな瑞希の頭に浮かぶのは、


      二人の青年の顔だった。

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