《MUMEI》
告白。
…………………………………………………………。
「え?」
ミクちゃんは今、何と言った?
好き?
僕の事を?
え?
え、え、えええええええええええええええええええ!?
ミクちゃんの突然の告白に対して、まだ反応できていない。思考回路はショート寸前だ。
「返事、聞かせてくれる?」
返事!!
伝えなきゃ。僕の気持ちを。
「ぼ、僕もミクちゃんのことが…………ん?」

『私も、薫くんの事が大好きだよ』

「も?」
ミクちゃんは露骨にしまった、という顔をした。
「ま……まさか……僕の心を読んで……ってことは、結構前から知ってたんじゃない!?」
ミクちゃんは否定しない。
「うわああああああああああ」
は、恥ずかしい……!!
「失敗する心配なくて羨ましいよ!いつから知ってたの!いつから!?」
「えっと、小学校卒業の日くらいかな?」
だ、大分前だ……!!


【恥ずかしい……!!】


「うおおおおおおおおおお!!いっそ殺せええええええええええええ!!」
「わっ、入れ替わった?」
あ、《俺人格》になった。
良かった……。元気そうだね、俺。
「君の方の薫くんもありがとね。君のことも、大好きだよ」
ニコッと笑顔を向ける。
俺は、一時停止したまま動かない。
それとは反比例に、身体には熱が溜まっていく。
その熱は顔に蓄積されているようだ。
顔はみるみる真っ赤に染まっていき、爆発してしまいそうな勢いだ。
◎◆〇々л刧煤艨c…!!!
《俺人格》は、ショートした。
そして、僕に戻る。
こう言ってはあれだけど、自分よりも慌てている人を見ると、自分は冷静になれる。……自分自身なんだけどさ。
深呼吸をして、落ち着かせる。
「ミクちゃん」
言う。
何年も、何年も奥底に閉じ込めていた、この気持ちを。
「僕は、君の事が好きだ」

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