《MUMEI》
5人の絆 。 【逆間久美編、完】
「はあ、はあ、はあ」
全速力で走って、文化室前に着いた。
前みたいな勘違いはしない。
ドアノブを掴む。
勢いのまま、扉を開く。

「よう、薫!」
「遅かったじゃないか」
「久しぶり!カオルン!」

みんながいた。

「薫くん」

ミクちゃんがいた。

「みんな……」

こんなにも、安堵する空間があっただろうか。
こんなにも、心の底から誇れる友達がいただろうか。
こんなにも、好きだと思える女の子がいただろうか。

「部活、つくろう?」

ああ、そうか。
ミクちゃんはただ部活を作りたかったわけじゃないんだ。
僕ら5人の居場所を作りたかったのか。
1ヶ月前の事件のほとぼりが覚めて、またこの計画を再開した。

「何を作るかは、みんなで考えよう」

僕らは、固い絆で結ばれている。
小鳥遊さんが何をしてこようが、関係ない。
そんなことで壊れるような、やわな仲じゃない。
それに、これから取り戻すんだ。
この2年間を。
僕ら5人の絆は、永遠に、不滅だ。


5人の絆と僕のリミッター
逆間久美編


《大嘘憑きとボクの分裂》に続く。

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