《MUMEI》

すごい、衝撃。
それは隣にあった街灯の明かりがチカチカしてたほどで。


私はその時、確かに恐怖していたのだけれど―、それと同時に私はワクワクしていて。
胸の高鳴りを押さえることが出来なかった。


やがて衝撃がおさまり、あたりはシンとなる。
誰もがあの音と衝撃に圧倒されてたんだろう。


「キ、キビキ…」


すると隣でトロは私の名前を怯えた声でよんで。


それでもトロの瞳には、恐怖や怯えと共に―、


その瞳は輝いていて。
キラキラしていた。


私はその瞳を見るなり、トロは私と同じことを思ってることがわかって。


「行こう」


「うん!」


気づけば私たちは、走り出していた。


平凡で退屈だった毎日を覆すような、冒険の入り口を見つけた気がして


私たちはただ、風をきって走った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫