《MUMEI》 すごい、衝撃。 それは隣にあった街灯の明かりがチカチカしてたほどで。 私はその時、確かに恐怖していたのだけれど―、それと同時に私はワクワクしていて。 胸の高鳴りを押さえることが出来なかった。 やがて衝撃がおさまり、あたりはシンとなる。 誰もがあの音と衝撃に圧倒されてたんだろう。 「キ、キビキ…」 すると隣でトロは私の名前を怯えた声でよんで。 それでもトロの瞳には、恐怖や怯えと共に―、 その瞳は輝いていて。 キラキラしていた。 私はその瞳を見るなり、トロは私と同じことを思ってることがわかって。 「行こう」 「うん!」 気づけば私たちは、走り出していた。 平凡で退屈だった毎日を覆すような、冒険の入り口を見つけた気がして 私たちはただ、風をきって走った。 前へ |次へ |
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