《MUMEI》 神名晴の話。晴姉さんの策略により、朝7時前に学校に登校してしまった僕こと神名薫は、部活の朝練に来た風影響介と合流し、教室で空白の2年間の話をした。 「そんなこんなでその大会で優勝したんだ」 「へえええ!剣道のデカイ大会で優勝って、それって本当にスゴいことじゃん!」 笑いながら、語る。 2年ぶりに話す響介には変わったところはあまりなくて。 多分、僕にも変わったところは大してないんだと思う。 今はリミッターも発動していない。 だから2年ぶりの雑談でも、こうして語り合うことができる。 「お前はあんま変わったとこねえよな。ただリミッターが発現したってだけか?」 「うーん、そうだね……、あ」 「どうした?」 「劇的に変わったことは……あるよ」 「ほー!劇的にってことは、それはさぞ良いことあったんだな!」 「う、うん。まあね」 「……どうした?」 響介が鋭く尋ねる。 「なんでもないよ。ちょっと長い話になるかもだけど……」 「晴姉さんが、結婚したんだ」 前へ |次へ |
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