《MUMEI》 生徒会室とお昼ご飯という事があり、現在瑞希は結菜とお昼ご飯を食べているのだが…… 「…何で生徒会室なんですか」 正確には結菜達と、になるのだが。 その結菜の傍らには王子達が全員集合して各々に昼食をとっている。 瑞希の文句ともとれる質問に答えたのは諒だった。 「俺達は毎回ここで昼食をとるんだよ。周りに迷惑をかけないためもあるし、なにより自分達が昼飯を食えないからな」 彼の説明に瑞希は納得するものの、さっきの生徒会室までの道のりの中での女子達から受けた痛い(決して熱い、ではない)視線を思いだし早くも心が折れかけていた。 「…そうですか。では私はこれで」 「……僕も、……行く」 カタンッと音を立てて立ち上がった瑞希の後に続いて蒼も立ち上がった。 彼も瑞希と同じくコンピューター室へ向かうらしかった。 「でも今パソコン壊れてるらしいよ」 そう声を上げたのは結菜だった。 その言葉に対して二人はタイミングも言葉も合わせたわけではないのに綺麗に重なった台詞を言い捨てていった。 「「…そんなの直すまでだよ」」 二人の唯一の違いといえば表情……瑞希はいつも通りの笑みを浮かべ、蒼はいつも通りの無表情であるというくらいだった。 二人が出ていった後にはポカンとした結菜達が残されていた。 が、彼らの大半は「瑞希ってパソコン出来たんだ」というなんとも失礼極まりない驚きからだったのだが。 前へ |次へ |
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