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《MUMEI》 頭の中で整理していると、やはり私は死んでいるらしい。 思考を元に戻した瞬間にまたさっきの恐怖が私を襲った。 自分の体は震えている。 ただ、そんなことを認識できるくらい私の思考回路は上手く働いてくれていた。 「お待たせ〜。ごめんね、怖い思いさせて」 そんな、場に似合わない陽気な声が聞こえてきた。 そのすぐあとに私の視界の一面は『白』に覆われ、目の前にはニコニコと笑う青年がいた。 「……誰ですか」 「神様だよ？」 「へぇ」 「反応が薄いな〜、もう」 「えぇっ！？」 「無表情じゃ意味がないよ！」 ここで私はあることに気がついた。 その事に神様(？)は気がついたようで、まるで私の思考を読み取ったように答えを返した。 「しゃべっているのに口が動いてないでしょ〜。この姿は『借り物』だからね。心臓も動いてないんだ〜」 どうやら神様というのも嘘じゃ無いようだ。 「あ、やっとわかってくれたぁ？じゃあ話しを進めるヨ」 そういうと神様はニコニコと笑い続けながら説明を初めてくれた。 「ココは次の人生を決める場所なんだ。普通ならすぐに転送するんだけど…君は僕が気に入ったということで、色々と説明をしてあげるために呼んだんだよ」 「……説明？」 「うん、そぉだよ。君は他の人と違って特別な条件を僕自ら与えて次の人生を歩んでもらうんだ」 そこで一拍おいてまた口を開ける。 「違うのは、今の記憶を消さずに送るっていうこと。皆は転送する時にもれなく消しちゃうんだケドね」 「……」 「おっと！時間がもうないや。何かあったら僕が会いにいくよ。てな訳で、楽しんで来てね」 最後に神様がウインクがつきそうな、相手に一切考える暇を与えないマシンガン口調でそういうと私は二度目の視界が眩むのを感じていた。 前へ |次へ |
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