《MUMEI》
第五章
「…ラ!?アキラ!?起きてよぉ!」「……ん…」「アキラ!」「何だ、ハルカか。なんか変な夢見たなぁ呪ってやるとか言われ……ってここ何処だ?!」タクヤはクスッと笑って言った。「病院だよ。お前倒れたんだぜ?」「は?!」アキラは驚いた顔をして固まった。「体は大丈夫なの?」「あぁ、俺さ…」

〜ラン〜
この時、3人の話などランの耳には入らなかった。          『ヒトネコが人間を異常に恨んだりひがんだりすると、人間はヒトネコの悪魔に憑かれるのじゃ。だから、ヒトネコであるお前は、人間を絶対に恨んではいけぬぞ?良いな?』私のお婆様が言ってた。呪ってやるって…まさか……。ランは体に電撃をくらったかのようにアキラの前へ行くと、早口で言った。「ねぇアキラ君っ!その夢の内容、詳しく聞かせてもらってもいいかな?!」病室が一緒しらけたが、アキラはすぐに「あ、あぁ、別に良いけど…」と、戸惑いながら話し始めたーーー。

翌日。今日は休日。朝から晴れ晴れとした空だった。タクヤは淹れたてのココアの温もりを味わいながら、どことなくテレビを着けた。「ん〜…。あんまり面白いのやってないな。」今日は散歩でもするか、と着替え、家の鍵を閉めた。休日だからか、まだカーテンが閉まっている家が多い。「ん?あれは…ラン?」いつもと様子がおかしかったため、タクヤはランのあとについていくことにした。

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