《MUMEI》
第六章
ランはルンルン気分のまま、タクヤたちの街から約15分ほどで着く街に出掛けた。途中で、駅の近くの可愛い雑貨店に立ち寄ったり、美味しそうなスイーツをほおばったりしながら歩いている。(ふぅ…。ここがお婆様の家だ…。なんか懐かしいなぁ♪)『ピーンポーン♪』ランがチャイムを押すと、すぐに扉が開き、お婆様が出てきた。「……お入り。」一瞬戸惑いを見せたように思ったが、快く家に入れてくれた。「おじゃまします!お婆様お久しぶりっ!」ランはおもいっきりお婆様を抱き締めた。「ラン、今はそんなにのんきにしていられんのじゃよ。」「ん?何かあったの?」ランが首をかしげると、お婆様は真剣な顔立ちでゆっくりと話した。「お前の母親がこの前死んだのじゃ。」「えっ……」ランは驚いた。頭の中で「死んだ」という言葉が繰り返し流れている。「お前は幼い頃、母親と共に暮らすことを拒否して人間のいる学校に行った。母親はさぞ寂しかっただろうに。私より早く死ぬとは思わなかったわい。」お婆様はどこか寂しそうな表情でフッと笑った。「お前のところに手紙が届かなかったかい?」ランは静かに頷いた。「きっとそれはお前の母親からの手紙じゃよ。」ランはハッとした。『ランの一番近くにいた人より』ーーー「じゃ、犯した罪って何?」

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